◆珍金魚!協会系の桜錦が入荷したが病気のため即治療へ…ウーデニウム?白点病か?
珍しい協会系の桜錦(さくらにしき)とは・・・?
通常流通しているのは、国内の養魚場や東南アジアの養魚場で作られた桜錦ですが、この協会系とは『日本らんちゅう協会』などの品評会系統のらんちゅうを親にして、こんにちまで改良が繰り返されている桜錦になります。頭の作りや身体、尾形の整い方などに特徴が現れるタイプで、まだまだ希少価値の高い存在となっております。
そして楽しみで梱包を開けてみると・・・怪しい影が。
↑上2枚の写真は入荷当日に撮影したもので、うっすら白い粒が見えます。白点病に見えましたが、粒が小さく密集していることからコショウ病(ウーデニウム病)も疑われました。
◆翌日・・・
コショウのような症状は広がりを見せており、よりウーデニウムが疑われると同時に身体の一部には白点も見られます。
尾ひれの点々も増えました。この小粒感はウーデニウムなので塩分調整で治ります。
◆コショウ病(ウーデニウム)?白点病?
桜錦ですが到着時点で怪しい白い影が点々と…尾ビレに微かに目視できる大きさは白点病にも見えますが、小粒で密集しているのでウーデニウム病にも見えます。
どちらの可能性も残して治療を開始します。病気が断定できないからと、何もしないのは良くありません。
まず、通常は0.3%での塩分濃度調整を行いますが、ウーデニウム病は0.5%に上げることで治療効果が充分あります。
そして、魚病薬はアグテンを適量投与。こちらは白点病に効果があります。
◆金魚同士の水を混ぜない
協会系らんちゅうのデメリット・・・
『箱入り娘』ではありませんが、さまざまな品種の出入りがある養魚場とは違い、協会系らんちゅうは隔離的な環境で育っているとが多い傾向があります。すると他の金魚が持ち込む病原菌に対する抗体を備えていないことは多く、混泳したとたん調子を崩すというのはよくある話です。
私たちが疲れていたりすると、風邪を引きやすいように、金魚も移動直後は疲れており病気にもかかりやすい。なので入荷直後はしっかりとした隔離や水合わせ、トリートメントは有効です。隣の水槽のエアーストーンがブクブクと弾いた水が混入することもNGです。
慣れてしまえば混泳も大丈夫ですが、どうしたら慣れるのかというと『慎重に合わせてみる』という方法になり、そのためにはまず個体のコンディションを上げて病気に負けない身体を作ることになります。
◆たっぷり水量で治療を行う
小さな水槽では病気を治す難易度が上がります。エサや呼吸で水が汚れやすく、水質悪化は弱った金魚の体力を奪うからです。とは言ってもお家では限られた道具で出来る範囲での治療になってしまうことがもどかしいですね。
今回は60×45(約110ℓ水量)水槽で治療を開始致しました。薬剤の使用料が増えてしまうデメリットもありますが、出来る範囲で良い環境を作りました。
翌日には白点の数が増加しましたが、個体自体は力強く泳いでいます。若干の水の濁りは気になりますが、水換えのタイミングは魚病薬や飼料などを考慮して調整します。明日には1/3~1/2水換えになりそうですね。
まずは病気を治したいところです。魅力的な金魚ですから早く元気に。
ではでは(^^)