◆水槽で飼育する錦鯉たち。『秋翠』の魅力とは。

◆秋翠(しゅうすい)という錦鯉とは

青色を基調とした鮮やかな海水魚のような色素を持ち、ドイツ鯉の長所である柄のキワの良さに加え、濃橙色・緋色の配色美が素晴らしい品種。

先ほど述べたとおりドイツ鯉が日本に持ち込まれ、錦鯉と初めて掛け合わせて作出されました。

系統図にもあるように、古くから親しまれています。

◆秋翠を見る・選ぶポイントとは?!

上から眺めるともう一つの特徴が分かります。

大きさの異なる鱗が背部に集まって尾部まで整然とならんでおり、ドイツ鯉の数少ない鱗を『食の利便性』から『鑑賞』へと変えた代表品種と言えます。

①頭部にシミがない

②背部の鱗も大きさが不均一であっても、配列が左右対象

③腹側への模様のみでなく、背中側にも側線を境に緋色(濃橙色)が入る

このような個体が良魚とされます。

水槽飼育下であっても泳ぐ角度が変わるたびに、背中の鱗列美や体側のメリハリのある緋模様が楽しめることでしょう。

◆錦鯉の性格を知る

実は、錦鯉は品種によりかなり性格に差がみられます。秋翠は、九紋竜(くもんりゅう)と同様に少し臆病なところがあるので、水槽導入後、環境に慣れるまでは浮上性の餌を水槽水面まで食べに来られず、痩せてしまう傾向があります。

浮上性の餌と混合して沈下性の飼料を与えてみるのも良いでしょう。

◆秋翠(しゅうすい)

上見との差がこれほどある品種もいないほど横見のインパクトがあります。肩口の青色がさらに他品種にはない色彩を持ちます。

緋色もドイツ鯉特有のキワ(色の境目)の良さも注目し、肩から尾鰭にかけての一直線状の鱗も特徴です。

もはや淡水魚とは思えない雰囲気を醸し出します。

◆流通や価格、入手方法などは?

幼いSMサイズほどの個体がホームセンターなどでも取り扱いが見られます。常時販売されているわけではなく定期的に流通が見られます。

錦鯉の品種は多く、限られた水槽個数の中で品種の回転があるのでタイミングが生まれます。

価格は¥1000前後になり、大きくなるほど販売価格は上がる傾向があります。また良質な個体は付加価値が上がります。

なかなか近くに小売対応している錦鯉養魚場はありません。近くにある方は恵まれていますので、足を運んでみるのも良いでしょう。

熱帯魚ショップでは錦鯉カテゴリーを取り扱っていない店舗もありますので、確認してから足を運ぶと良いです。希望の錦鯉を取り寄せ対応してくれるかはお店により異なります。

◆この他、水槽で飼育する錦鯉たちを楽しむのにオススメの書籍はコチラです。水槽視点で書かれている物は少ないので、とても参考になります。