◆水草がうまく育たない時は浮かべてみる。

写真は『ウォータースプライト』と『アメリカンスプライト』を浮かべてあります。

なぜ浮かべているのかというと、水中化を促しています。

水上で育った水草に、「もうすぐ水の中に沈むから生きていけるようによろしく」と、準備してもらうのです。

浮かべてあることで、半分は水上に接していますから、二酸化炭素も空気中から取り込むことができます。

こうすることで、すんなりと水中育成がいく種類があり、知っている人はやっています。

 

◆簡単って聞いたのに・・・

写真の2種は『育成は簡単な水草』としてよく紹介されています。

しかし・・・

実際に育ててみたら枯れてしまったという方は多い。

ネットや本がウソを付いているわけではありません。

照明、二酸化炭素、水温、水質、必要な栄養などの育成条件にうるさくない種類ではあります。

ただ、実際にそのまま植えると、水中化する前に腐りがちです。

 

◆だってバリバリの水上モード

現役の水上葉は見るからに健康的で美しく、客観的に「購入したい!」と思うのはこの状態の水草たちです。

ここから水中化の途中で、外葉から枯れたり、ボリュームが減ると、購買意欲が下がる外見に一時的になってしまいます。

小さなジレンマがありますね。

水中に沈められることで、空気中から摂取していた二酸化炭素を、今度は水の中から取り込まなければなりません。

植物は変身するのです。

僕らには、とうてい出来ない芸当を彼らはこなすのです。

 

◆1週間ほど浮かべたウォータースプライト

入荷してから1週間ほど浮かべてありました。

鉛で巻き直して水中へ。

株の中心から新芽が育っています。

このまま水中モードで大きくなっていきます。

このタイミングで、古い葉や、輸送で傷付いた葉は、茶色く変色し枯れていきます。

残念ながら再生はしないので、茎の元から切り取ってしまいましょう。

中途半端にカットしても、株の中心まで枯れていきます。

 

◆水草という存在自体がレア

実は、植物の世界の中で、私たちが『水草』として扱っている植物はほんのひと握りしか存在しません。

世の中のほとんどの植物は、水中で生きていけないんですね。

雨季や川の増水などの影響で、日頃から水没する環境に生息していなければ不要な能力ですもんね。

水中化は、一部の植物が持つすごい能力なんです。

 

ちょっ脱線しましたが、タフな環境でも育つのが本来の水草なんですね。

植えなくても、浮かべておけば育つ。

強いですね!

ではでは(^^)

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