◆水槽で飼育する錦鯉たち。『丹頂』の魅力とは。良い個体を選ぶ4つのポイントとは。

 

 

◆丹頂(たんちょう)を持つ錦鯉

真白の肌地に、頭部にのみ入る形の良い丸い緋盤。まるでタンチョウヅルのような容姿からその名が付けられました。

大正三色(たいしょうさんしょく)・昭和三色(しょうわさんしょく)・五色(ごしき)などの他の品種においても、頭部のみに日の丸緋斑があるものを総称して、丹頂〇〇と呼び、体部に墨以外の緋や柄模様が入るものは区別されています。

※丹頂三色、貼り分け丹頂紅白、銀鱗丹頂五色、ドイツ丹頂三色、丹頂孔雀黄金、丹頂黒衣など

まさに、日本の国旗を連想させる日の丸の円形・配置で、シンプルでありながらも形の良し悪しや位置により、見た目に驚くほど差の出る品種でもあります。

海外での人気も特に高く、日本の愛好家にも馴染みが深いです。

 

 

◆丹頂を選ぶ4つのポイントとは。

①緋斑のズレがない

②背部まで及ばない

③目にかからない

④日の丸模様の形が円に近い

そのような個体を良魚とします。

水槽飼育下であってもさまざまな泳ぎの中でアングルが変化し、シンプルでありながら、飽きのこない際立った存在感を持っています。

 

 

◆大切な模様を守るため?!

丹頂緋盤に関しては、ややデリケートな部分があり、ストレスや体調不良時に緋色が飛び(緋が欠けたり、無くなってしまう)の症状が見られる事があります。

一度緋飛びが起こってしまうと、なかなか元に戻らない場合が多く、魚病薬で治す範疇でもありません。

導入の際は混泳魚とのパワーバランス、飼育環境、水質、水温などの他品種よりも少し気遣いたいものです。

スペースの限られた水槽飼育環境では極力同居錦鯉を同じくらいのサイズにすることを心掛け、餌やりでも差がつかないよう小粒な餌で全体に行き渡るように与えることも、テクニックの一つです。

 

 

◆流通や価格、入手方法などは?

幼いSMサイズほどの個体がホームセンターなどでも取り扱いが見られますが、その中から丹頂は限られた存在です。

流通量は少ない方になります。

錦鯉の品種は多く、限られた水槽個数の中で品種の回転があるのでタイミングが生まれます。

価格は¥1000前後になり、大きくなるほど販売価格は上がる傾向があります。また良質な個体は付加価値が上がります。

なかなか近くに小売対応している錦鯉養魚場はありません。近くにある方は恵まれていますので、足を運んでみるのも良いでしょう。

熱帯魚ショップでは錦鯉カテゴリーを取り扱っていない店舗もありますので、確認してから足を運ぶと良いです。希望の錦鯉を取り寄せ対応してくれるかはお店により異なります。

 

 

◆この他、水槽で飼育する錦鯉たちを楽しむのにオススメの書籍はコチラです。水槽視点で書かれている物は少ないので、とても参考になります。